【2025課題図書】『ぼくのねこ ポー』あらすじ・読書感想文の書き方と見どころ解説

絵本
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読書感想文の課題図書にも選ばれた、優しい猫と少年の心温まる絆――『ぼくのねこ ポー』(岩瀬成子×松成真理子)

2024年3月にPHP研究所より刊行され、第71回青少年読書感想文全国コンクール(小学校低学年の部)にも選出された本作。

白い雨の中、無垢なポーと出会った少年が抱く小さな勇気や配慮、そのやりとりを通して感じる“共感力”が、親子での読み聞かせだけではなく、読書感想文や学びの題材としても最適です。

この記事では、あらすじ、見どころ、作者・絵本の背景情報を交えながら、本作の魅力を徹底解剖します。

 『ぼくのねこ ポー』のあらすじ・感想文のヒント

ぼくのねこ ポー (出典:Amazon

ぎゅーっと猫を抱きしめる少年。

まんまるな目でこちらを見る猫。

少年と猫の間にはどのような気持ちの通い合いがあるのでしょうか?

概要

『ぼくのねこポー』は、少年とおるが学校からの帰り道で見つけた猫に「ポー」と名付けて飼い始めるが、後に転校生の森くんが飼っていた猫がいなくなっていることを知り、自分の飼っているポーが森くんの猫なのではないかと葛藤する物語です。少年とおるの心の動きを丁寧に描いた幼年童話です。

放課後クラブが終わった学校からの帰り道。白い家の近くでねこを見つけた。つれて帰りたいなと思ったけれど、お母さんは「だめ」っていうかもしれない。
そのとき、ぽつっとぼくの首に雨があたった。雨がふりだしたら、ねこがびしょぬれになってしまうと思って、家につれて帰った。お母さんは「すてねこなら飼ってもいいけど」といって、ねこに心当たりがないか白い家の近くにたずねにいった。でも、誰もねこのことは知らなかった。ぼくは、ねこに「ポー」という名前をつけた。
ぼくのクラスに森あつしくんという子が転校してきた。森くんと仲良くなって話していると、「家族は両親と妹と、それからねこ」といった。そして森くんは、「だけど、ねこがね、いなくなっちゃったんだよ」とつらそうな顔をした。ぼくはなんだかむねが急にドキドキしはじめた。「しんぱいだね」といったけど、どんなねこ? とは聞かなかった。どんなねこか、知りたくなかった……。
少年の心の機微を丁寧な筆致で描いた幼年童話。

出典:Amazon

あらすじ詳細

学校からの帰り道、とおるは白い家の近くで猫を見つけます。雨が降ってきたので、可哀想に思い、家に連れて帰ります。お母さんは「捨て猫なら飼ってもいい」と言い、心当たりがないか近所の人に尋ねますが、誰も知らないようでした。そこで、とおるは猫に「ポー」と名付け、飼うことにします。

数日後、クラスに森あつしくんという転校生がやってきます。とおると森くんは仲良くなり、話をするうちに、森くんが「家族は両親と妹と、それから猫」と話し、そして「猫がいなくなってしまった」ことを打ち明けます。その時、とおるは胸がドキドキし、ポーが森くんの猫かもしれないと疑い始めます。

とおるは、ポーが森くんの猫かもしれないという不安から、森くんとあまり話さなくなってしまいます。しかし、心のどこかで「ポー」と名付けた猫への愛情と、森くんへの申し訳なさを感じています。この葛藤が、少年とおるの成長を描く物語の中心となります。

この物語は、少年とおるの心の揺れ動きを丁寧に描いているだけでなく、動物を飼うこと、友達の気持ちを考えること、そして自分自身の気持ちと向き合うことの大切さを教えてくれます。

感想文にも書きやすい!絵本の魅力と読みどころ

tempo的おすすめポイントは、丁寧に描き込まれた絵!

その場に居合わせているような物語に加え、猫や子どもの表情を伝える絵もふんだんに描かれています。

その表情を見て、子どもや猫がどのような気持ちなのかを感じとる事ができるでしょう。

読者は、主人公に自分を重ねて読むことができます。

また、この本を読んで印象に残った場面や、自分が似た経験をしたことを書いてみると、気持ちのこもった感想文が書きやすくなることでしょう。

 作者紹介|岩瀬成子さん・松成真理子さんの代表作

作者 岩瀬成子 さん

1950年、山口県に生まれる。『「うそじゃないよ」と谷川くんはいった』(PHP研究所)で小学館文学賞と産経児童出版文化賞、『あたらしい子がきて』(岩崎書店)で野間児童文芸賞、『きみは知らないほうがいい』(文研出版)で産経児童出版文化賞大賞、『わたしのあのこ あのこのわたし』(PHP研究所)で児童福祉文化賞出版物部門を受賞。その他の作品に、『地図を広げて』(偕成社)、『もうひとつの曲がり角』(講談社)などがある。

絵 松成 真理子 さん

1959年生まれ。イラストレーター、絵本作家。『まいごのどんぐり』(童心社)で児童文芸新人賞、『さくらの谷』(文・富安陽子/偕成社)で講談社絵本賞、紙芝居『うぐいすのホー』(童心社)で五山賞奨励賞を受賞。絵本の作品に、『じいじのさくら山』(白泉社)、『ぼくのくつ』(ひさかたチャイルド)、『たなばたまつり』『きんぎょすくいめいじん』(以上、講談社)などがある。

本の情報

  • 出版社 ‏ : ‎ PHP研究所
  • 発売日 ‏ : ‎ 2024/3/5
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 80ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4569881629
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4569881621
  • 寸法 ‏ : ‎ 21.6 x 15.3 x 1.2 cm

まとめ:『ぼくのねこ ポー』は読書感想文にぴったりな一冊

● “読書感想文全国コンクール(低学年部門)の課題図書”に選ばれており、学校の授業や宿題にぴったり。
● ポーと少年の何気ない日常が心に寄り添い、質問の答えや率直な気持ちが書きやすい内容。
● 簡潔なストーリーに込められた思いやりと成長の物語は、感想文に深みを与えてくれるでしょう。

子どもの内面を見事に描いた物語。

子どもに読み聞かせたい一冊。もちろん、大人の絵本タイムにもぴったり。本を閉じた後、その余韻に浸るのも、楽しみ方の一つでしょう。

読書感想文のネタに困ったら、『ぼくのねこ ポー』を手に取ってみませんか?

あなたらしい気づきや感想が、自然と書ける一冊です。ぜひ、お手にとってごらんください。

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