名前を持たない一匹の猫が主人公の絵本『なまえのないねこ』。
「なまえのないねこ」は、ただの“かわいい猫の絵本”ではありません。
名前を持たない猫の旅は、子どもたちに“やさしさ”や“気づく力”を、大人には“自分自身を見つめ直すきっかけ”を与えてくれます。そして、子どもから大人まで、読む人の心に優しく寄り添ってくれる一冊です。
この記事では、実際に読み聞かせをして感じた魅力や、対象年齢、この本から感じ取れることについて詳しく紹介します。

『なまえのないねこ』とはどんな絵本?

なまえのないねこ (出典:Amazon)
作者(竹下文子)と絵(町田尚子)
作者は、繊細なストーリーと写実的なイラストのタッグに、他作品でも定評があるこのお二人です。
文 竹下文子さん
1957年、福岡県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。
作品に「黒ねこサンゴロウ」シリーズ(偕成社)、『風町通信』『木苺通信』(ポプラ文庫ピュアフル)、「ひらけ! なんきんまめ」「旅するウサギ」「にゃんともクラブ」「ちいさなおはなしやさんのおはなし」(小峰書店)などがある。
猫飼い歴35年、現在5匹(珊瑚、真鈴、きなこ、クレ、コマ)。
絵 町田尚子さん
1968年、東京都生まれ。武蔵野美術大学短期大学部卒業。
作品に「ネコヅメのよる」(WAVE出版)、「さくらいろのりゅう」(アリス館)、「いるのいないの」「あずきとぎ」(京極夏彦・作/岩崎書店)、「おばけにょうぼう」(内田麟太郎・文/イースト・プレス)などがある。
一緒に暮らしている猫の名前は、白木とさくら。
町田尚子さんの他の作品については以下の記事をご覧ください。
▼『ネコヅメのよる』をこちらで紹介しています。

▼猫好きにはたまらないイベント「ちよだ猫まつり2025」は『ネコヅメのよる』の1シーンがポスターに描かれていました。
▼『ねこはるすばん』ユーモラスたっぷりな絵本

▼『どすこいみいちゃんパン屋さん』も人気の絵本です

出版情報と受賞歴
- 出版社 : 小峰書店
- 発売日 : 2019/4/25
- 言語 : 日本語
- 大型本 : 32ページ
- ISBN-10 : 4338261331
- ISBN-13 : 978-4338261333
- 寸法 : 28 x 22 x 1 cm
各種大賞受賞作品でもあります。
- 第12回MOE絵本屋さん大賞2019第1位!
- 第51回講談社絵本賞・受賞!
- 第3回未来屋えほん大賞・大賞!
- 第10回リブロ絵本大賞・大賞!
- 第25回日本絵本賞・受賞!
- 第30回けんぶち絵本の里大賞 びばからす賞!
- 第11回ようちえん絵本大賞・受賞!

この作品のすごさがうかがえますね!
絵本『なまえのないねこ』のあらすじ

なまえのないねこ (出典:Amazon)
名前がない猫が、町の中でさまざまな「名前のある猫たち」と出会いながら、自分にとって本当に大切なものを見つけていく…というお話。

なまえのないねこ (出典:Amazon)

なまえのないねこ (出典:Amazon)

なまえのないねこ (出典:Amazon)
なまえを探すうちにねこがみつけた本当にほしかったものとは・・・?
読後には、心がじんわり温かくなるような余韻が残ります。
『なまえのないねこ』の対象年齢
絵本『なまえのないねこ』は、読み聞かせから自分で読む読書まで、幅広い年齢で楽しめる作品です。
読み聞かせにおすすめの年齢
『なまえのないねこ』は、読み聞かせなら3歳ごろから楽しめる絵本です。
文章量はそれほど多くなく、猫の表情やしぐさを丁寧に描いた絵が物語をやさしく伝えてくれます。
小さな子どもは、さまざまな猫の名前を聞きながら物語の流れを楽しむことができ、猫たちの個性や雰囲気にも自然と親しむことができます。
小学生にも読んでほしい理由
この絵本のテーマは、「名前とは何か」「自分らしさとは何か」という、少し深い問いです。
そのため、小学校低学年ごろからは自分で読む絵本としてもおすすめです。
年齢が上がるにつれて、主人公の猫が「自分の名前」を求めて歩く姿に、さまざまな思いを重ねて読むことができるでしょう。
子どもの成長に合わせて、感じ方が少しずつ変わっていくところも、この絵本の魅力の一つです。
『なまえのないねこ』が多くの賞を受賞した理由
絵本『なまえのないねこ』は、多くの読者や書店員から高く評価され、さまざまな賞を受賞しています。
その理由の一つは、「名前」という誰にとっても身近でありながら深いテーマを、やさしく丁寧に描いている点です。名前のない猫が「自分の名前」を探し続ける物語は、子どもにはもちろん、大人の心にも静かに響きます。
さらに、町田尚子さんによるリアルで存在感のある猫の絵も大きな魅力です。毛並みや表情、しぐさの細かな描写が、物語の世界にぐっと引き込みます。
こうした物語性と絵の力が合わさり、『なまえのないねこ』は世代を超えて多くの読者に支持される絵本となりました。
絵本『なまえのないねこ』の魅力
ひとりで読んでも心に残るこの絵本。
でも、声に出して読むと、猫たちの表情や気持ちがより生き生きと伝わってきます。
読み聞かせの時間が、もっと特別なものになるようなコツをご紹介します。
「名前」がテーマの物語
この絵本のキーワードは「なまえ」。
名前があることで生まれる“つながり”や、“存在の意味”が優しく描かれています。
読み聞かせを通して、子どもたちにも「あなたは大切な存在なんだよ」と伝えることができます。
読み聞かせのコツ
ページをめくるたびに登場するリアルな猫たち。こんな工夫をすると、より印象に残る読み聞かせになります。
- 猫の声を変えて読むと、キャラクターが際立つ
- 「なまえってなあに?」のセリフを丁寧に語ると、テーマが伝わりやすい
- 読後に「あなたの名前ってどんな意味があると思う?」など、子どもと対話すると◎
読み聞かせでは、それぞれの猫の名前をちょっとした演技を加えて読むと、子どもたちの表情がぱっと輝くことでしょう。3歳〜小学校低学年くらいまでが特に良い反応が返ってきそうです。
『なまえのないねこ』が伝えてくれること
『なまえのないねこ』は、子どもから大人まで、それぞれの視点で感じ取れるメッセージが込められています。ここでは、年齢や立場によって異なる感じ方を紹介します。
子どもに伝わるメッセージ
子どもたちは、この絵本を通じて、名前の持つ意味や、人とのつながりの大切さを自然と学ぶことができます。
- 自分は大切な存在なんだという思い(自己肯定感)
- 他者への思いやり
- 「名前」の大切さ
大人の心にも響く理由
大人にとっても、この絵本は自分自身や人との関係を見つめ直すきっかけとなるでしょう。
- 「誰かにとって特別な存在になること」---これは大人にこそ刺さるテーマかもしれません。
- 読み終えた後に子どもと「名前ってなんのためにあるんだろう?」と話し合うのもおすすめです。
「メロン」の意味とは?(作中のキーワード)
「なまえのないねこ メロン」で検索されることがありますが、これは絵本に登場する“ある名前”に由来しています。
物語後半の鍵を握る大切なシーンに登場するので、ここではあえて詳細は伏せます。
気になる方はぜひ絵本を読んで確かめてみてください!
まとめ|『なまえのないねこ』は大人にもおすすめの絵本
●自分とは何か」「名前に宿る意味」を優しく問いかけてくれる
●文と絵は、繊細なストーリーと写実的なイラストのタッグに他作品でも定評があるお二人
『なまえのないねこ』は、ただかわいい猫の絵本ではなく、「自分とは何か」「名前に宿る意味」を優しく問いかけてくれる物語です。
子どもへの読み聞かせはもちろん、大人にも響く絵本として、長く読み継がれていくことでしょう。





















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