荷物を整理していたら、昔夢中になっていた松本零士さんの本がどっさり出てきました。
その一つがこれ。
『トラジマのミーめ』。
ご存じですが?
懐かしくなっちゃって、夢中で読み進めちゃいました。
『トラジマのミーめ』 あらすじ ※ネタバレ注意※
かわいいミーくんとその仲間たちが描かれている扉絵。
どんなストーリーなのか、ページをめくってみましょう。
『トラジマのミーめ』のあらすじ ※ネタバレ注意※
ある雪の日、あつ子の家に迷いこんできたトラジマ猫。
それが、あつ子一家とミーの出会い。
かわいいミーと、ミーをとりまくあつ子一家や仲間の猫たちの毎日は悲喜こもごも。
14年間を自由に生きたミーのハートフルストーリー。
温かさと寂しさ、ミーくんへの想いがたくさん詰まっています。
人間は犬でも猫でもペットに対して、自分たちの都合のいいようにしている。
猫側の見たとしたら・・・
猫の人生は飼い主によって定められるといっても過言ではないかも。
はじめから最後まで、涙なしでは読めない作品です。
何度も何度も読み返しています。
そのたびに新たな発見が。
そして感動の涙がこぼれます。
『トラジマのミーめ』に収録されているストーリー一覧
愛蔵版(文庫版)には、複数のストーリーが収録されています。
全9編です。
- トラジマのミーめ PART1 (初出誌は「プリンセス」1975年9月号)
- トラジマのミーめ PART2 (初出誌は「プリンセス」1976年新年号)
- トラジマのミーめ PART3 (初出誌は「プリンセス」1976年6月号)
- トラジマのミーめ PART4 (初出誌は「プリンセス」1976年11月号)
- トラジマのミーめ PART5 (初出誌は「プリンセス」1976年12月号)
- アイアムミーくん! (初出誌は「りぼん」1968年)
- サムライ ミーくん! (初出誌は「りぼん」1968年)
- レッツゴー ミーくん! (初出誌は「りぼん」1968年)
- OK ミーくん! (初出誌は「りぼん」1968年)
- ミーめもりー
松本零士さんが飼っていた猫たち。
代々、名前は「ミーくん」
- 解説 花井愛子
ライトノベル小説の立役者ともいわれるこの方が解説を書いています。
登場人(猫)物はミーくんと野良ネコや飼い猫。
それぞれのネコの人(猫)生が丁寧に描かれています。
とにかく感動!
著者【松本零士】さんのプロフィール、代表作
『銀河鉄道999』など、有名な作品がある松本零士さん。
その情報をまとめました。
松本零士さんのプロフィール
1938年1月25日に福岡県久留米市で生まれ、戦後東京に出るまでを小倉で過ごす。漫画家。
6歳の頃から絵を描き始め、9歳で運命的な本(『新寶島』『月世界紳士』いずれも著者は手塚治虫先生)との出会いをきっかけに漫画を描き始める。
15歳の時に投稿作『蜜蜂の冒険』が「漫画少年」の第一回漫画新人王で新人王を受賞して掲載された。これが商業誌デビューとなる。
18歳の時に手塚先生のお手伝いを1度したことはあるが、誰かのアシスタントについて師事することは無く、独学で漫画の画法を身に付けていく。
実質的な漫画家デビューは1957年「少女」掲載の『黒い花びら』。しばらくは少女漫画誌での執筆が続く。
1968年代に入り青年漫画誌が誕生し始めたころ「漫画ゴラクdokuhon」に『セクサロイド』を発表。
以降、青年漫画誌での執筆が増え、少年・青年漫画のジャンルで活躍するようになった。
1970年代にはアニメーション作品に関わることも増え、多くの作品がアニメーションとしてテレビ放送や劇場公開され、SF漫画・アニメブームの火付け役となり、作品は日本を飛び出し世界中に広まった。
活動の範囲は、漫画の執筆だけにとどまらず、(公社)日本漫画家協会の常務理事(2000年~2018年)として漫画家の地位向上等に取り組んだり、(公財)日本宇宙少年団の理事長(1994年〜2021年)として、宇宙・科学をテーマとした青少年教育活動にも力を注ぐなど、多くの団体で要職にあずかり精力的に各地を飛びまわっていた。
2023年2月13日星の海に旅立つ。(享年85)
松本零士 零士社 オフィシャルサイト
松本零士さんの代表作
九州男児「おいどん」こと大山昇太は4畳半に住んでいる。押し入れにはパンツが山と積まれ、サルマタケという奇妙なキノコが生える始末。だが彼の極貧生活においてはこのキノコさえも貴重な食料である。昼間に工場でバイトし、夜間高校に通う彼だが失敗がもとでクビ、中退、失恋と次々に試練が重なる。そんな折、向かい部屋に西尾令子が来た。思いやりのある彼女に魅かれていくおいどんだが……。
全6巻
西暦2199年。地球は外宇宙からの侵略者・ガミラスの遊星爆弾によって滅亡の危機に瀕していた! もはや滅亡を待つだけかと思われた地球人類のもとに、惑星イスカンダルより通信カプセルが届く。カプセルには「放射能除去装置・コスモクリーナーをイスカンダルまでとりにきなさい」というメッセージと、ガミラスの戦艦に対抗できる波動エンジンの設計図が入っていた。設計図をもとに宇宙戦艦ヤマトを完成させた人類は、イスカンダルに向け、今、ヤマトを発進させる!
全3巻
松本SFの代表傑作! 宇宙をさすらうハーロックと戦艦アルカディアに男のロマンが漂う!!
全5巻
あらすじ/1000年もの間生きることができる機械の体を夢見る少年・星野鉄郎とその母親。しかし、機械伯爵の人間狩りにより母親は殺されてしまう。逃げ延びた鉄郎も吹雪の中、力尽き倒れてしまうが、謎の美女・メーテルによって助けられる。しかもメーテルは、自分と同行してくれれば、ただで機械の体を手に入れることができる星・アンドロメダへ行く“銀河鉄道999”の乗車パスもくれると言うのだった(第1話)。▼鉄郎たちを乗せ、アンドロメダへの長い長い旅が始まった銀河鉄道999が、最初に停車駅したのは火星。かつては地球の植民星として栄えた火星も、現在はどこまでも廃墟が続く寂しい地となっていた。鉄郎は、火星に住む娘・フレーメの案内で、かつての都・大シルチスへ向かうのだが…(第2話)。
全21巻
あらすじ/雨森始の実家は電子鉄工所を営んでいる。ある日、彼が学校から帰宅して家に入ろうとすると、中から「家へ入っちゃだめだ!」の大声が。そして突然何かが爆発して始は気を失ってしまう。彼が意識を取り戻したのは病院のベッドの中で、そばには見知らぬ女性が立っていた。そのとき、もう一人見知らぬ男の姿が見えたと思った途端に再び爆発が起こる……。この爆発の数日後、始は天文学者である叔父の元を訪ねるが、そこで病室で会った謎の女性と再会する。彼女の名前は雪野弥生といい、最近叔父の助手になったばかりだという。そこに、地球についての重大なニュースが入る。長大な楕円軌道を持つ太陽系の10番目の惑星・ラーメタルが地球に近づきつつあり、コースによっては地球と月が破壊される可能性があるというのだ……!
全3巻
書籍以外にも、映画やアニメなど、多数の作品あり。
tempoは「クイーンエメラルダス」の大ファンです。
あんな女性になりたい!と憧れています。
みなさんがご存じの作品はどれですか?
X(旧Twitter)での反応は?
2023年2月13日、享年85歳で松本零士さんが星の海に旅立たれました。
そのときの追悼で、『トラジマのミーめ』を取り上げておられた方々がいらっしゃいます。
松本零士作品で、印象に残っているのは「トラジマのミーめ」。少女コミック誌に載っていた作品だが、哀切な傑作で、松本作品に特徴的なモノローグが味わいを深くしていた。
ネコにはネコの
悲しみがネコにはネコの
喜びがある・・・・・・ pic.twitter.com/OgVIF4QCQK— ストモ (@stomoo) February 20, 2023
ネコにはネコの哀しみが
ネコにはネコの喜びがある・・・
この言葉にはぐっときますよね
松本零士『トラジマのミーめ』
こんな可愛らしい表紙なんだけど、松本さんが「ネコちゃん可愛い〜」で済むような漫画を描くわけないと覚悟して読んだら案の定、ペーソスに満ちた名作だった人はいう「私はネコになりたい……」と
そしたらネコはいうだろう
「ネコになってごらん」
……って…… pic.twitter.com/cfvAW3VXd1— cyclone (@cyclonearata) April 16, 2024
そう、ここでも松本零士さんワールド・・・
『トラジマのミーめ』に猫を置き去りに引っ越し…やるせないラストが多い理由。
それは戦時中、松本零士先生が疎開で福岡から四国へ引っ越した時、飼っていた猫を置き去りにしていった悲しい記憶からなのです😿
あの日を思い出すと涙が溢れてくるそうです#松本零士#ミーくんhttps://t.co/KDhyiLrNle pic.twitter.com/djx89uR6I8— リエコ車掌 C103(土)東㍁D-39a (@fantasyrailway2) February 25, 2023
そっか、このような原体験があって、この作品が生み出されたのですね。
自分だけの体験にとどめておかないで、共有する手段のひとつでもあったのでしょうか。
まとめ
松本零士さんといえば、『銀河鉄道999』やキャプテンハーロックなど、SF作品が思い浮かびますが、このような「ねこ」をテーマにした漫画も描かれていたのですね。
しかも、代々「ミーくん」ともに過ごしていたとのこと。
なんだかうれしくなりました。
文庫など、実際に手に取ろうと思うと今は入手が難しいようですが、kindle版で出ています。
温かくも、これでいいのか?と問題提起もあるこの作品。
ぜひご覧ください。
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