なぜ猫は十二支に入っていないの?―由来の逸話とおすすめ絵本10選

絵本
記事内に広告が含まれています。
  1. はじめに:どうして猫は十二支にいないの?
  2. 猫が十二支に入らなかった理由とは?
    1. 神様が開いた「動物のレース」
    2. ネズミのいたずらと猫の悲劇
    3. 国や地域で異なる「干支の仲間」
  3. 十二支から外れても人気者の猫
  4. 【絵本紹介】猫と十二支をテーマにしたおすすめ10選
    1. 国内絵本(5冊)
      1.  『十二支のはじまり』いもとようこ (著) / 金の星社 (2015/12/21)
      2. 『十二支のはじまり』 岩崎 京子 (著), 二俣 英五郎 (イラスト) / 教育画劇 (1997/11/1)
      3. 『十二支のはじまり』やまち かずひろ (著), 荒井 良二 (イラスト) / 小学館 (2006/11/27)
      4. 『十二支のはじまり』 高谷まちこ (著)  / ハッピーオウル社 (2009/3/1)
      5. 『十二支のおはなし』 内田 麟太郎 (著), 山本 孝 (絵) / 岩崎書店 (2002/11/15)
    2. 海外絵本(5冊)
      1. 『The Great Race: The Story of the Chinese Zodiac』 Christopher Corr (著) /  Frances Lincoln Children’s Books (2018/1/4)
      2. 『Story of the Chinese Zodiac: English Thai』 M. Chang (著) / Pan Asian Pubns (1994/6/1)
      3. 『How Come There’s No Cat in the 12 Chinese Zodiac Animals?: Based on a Traditional Chinese Story』 / Artink Wanderer(2023/12/4)
      4. 『Year of the Cat』Richard Ho (著), Jocelyn Li Langrand (絵) / Greenwillow Books (2022/11/1)
      5. 『The Race for the Chinese Zodiac』Gabrielle Wang (Author), Sally Rippin (Illustrator), Regine Abos (Illustrator) / Candlewick(2013/11/26)
  5. 読み聞かせや親子で楽しむ工夫
  6. 関連記事へのご案内
  7. まとめ:猫は十二支に入らなくても、物語の主役

はじめに:どうして猫は十二支にいないの?

お正月や干支の話をするとき、子どもから「どうして猫はいないの?」と質問された経験はありませんか?

犬や牛、ウサギがいるのに、猫だけが仲間はずれになっているのは不思議ですよね。

実はこれには、昔から語り継がれてきたユニークな逸話があります。日本だけでなく中国やベトナムなど東アジアでも少しずつ異なる形で伝えられており、絵本や民話として親しまれてきました。

この記事では、その由来をわかりやすく紹介するとともに、猫と十二支をテーマにしたおすすめ絵本を国内外から10冊ご紹介します。

猫が十二支に入らなかった理由とは?

神様が開いた「動物のレース」

十二支は、中国で生まれた干支文化に由来しています。

あるとき、神様が「元旦にあいさつに来た順に12匹を一年の守り神としよう」と動物たちに告げました。
こうして動物たちは、神様のもとを目指して大競走を繰り広げました。

これが十二支の始まりとされています。

ネズミのいたずらと猫の悲劇

このとき、猫はネズミにだまされてしまったと言われています。

このレースに参加しようとした猫。しかしネズミに「集まるのは1月2日だよ」と嘘を教えられてしまいます。
猫が神様のもとに着いたときには、すでに12匹の枠は埋まっていました。

こうして猫は十二支から外れ、以来ネズミを恨み、追いかけ回すようになった――そんな民話が今も語り継がれています。

国や地域で異なる「干支の仲間」

興味深いのは、国や地域によって干支の動物が違うことです。

  • 中国・日本:猫は入っていない(ネズミあり)

  • ベトナム:ウサギではなく「猫」が干支に入っている

文化によって異なる解釈があるのも、十二支の魅力のひとつです。

文化によって干支に違いがあるのは面白いですね。

十二支から外れても人気者の猫

「だまされて遅刻した」という少し切ないエピソードのおかげで、猫は逆に物語の主役として親しまれるようになりました。

  • 子どもにとって「だまされてしまった猫」は共感しやすい存在

  • ネズミとの因縁関係を説明するユーモラスな物語として楽しい

  • 十二支には入っていなくても、絵本や昔話ではむしろ出番が多い

干支に選ばれなかったことが、猫が物語の中で輝くきっかけになったともいえるでしょう。

【絵本紹介】猫と十二支をテーマにしたおすすめ10選

ここからは、猫が十二支に入らなかった逸話を題材にした国内外の絵本をご紹介します。読み聞かせや干支教育にぴったりです。

国内絵本(5冊)

 『十二支のはじまり』いもとようこ (著) / 金の星社 (2015/12/21)

元日の朝、神様は1年の大将をまかせる12匹とその順番を決めるため、動物たちを御殿に呼び出しました。自分こそ1番のりをするんだと、動物たちは大はりきりで神様の元へ向かいます!
いもとようこ氏のほんわかした絵柄。猫もかわいい!

『十二支のはじまり』 岩崎 京子 (著), 二俣 英五郎 (イラスト) / 教育画劇 (1997/11/1)

昔、ある年の暮れ、神さまが動物たちにおふれを出したんだと。「正月の朝、ごてんに来るように。来たものから順に12ばんまで、その年の大将にする」 ところがねずみはねこにうそを教えて…。
古風な絵柄が印象的。

『十二支のはじまり』やまち かずひろ (著), 荒井 良二 (イラスト) / 小学館 (2006/11/27)

毎年、年末になると話題になる十二支。どんな動物がいて、なんであの順番になったのか? そんな疑問をもつ子どもたちに、十二支をわかりやすく伝えるゆかいな絵本。
荒井良二氏のいたずら心いっぱいの絵が魅力的。

『十二支のはじまり』 高谷まちこ (著)  / ハッピーオウル社 (2009/3/1)

十二支の順番が決まっていく様子や、十二支に入っていない動物たちが十二支に選ばれなかった理由などを、わかりやすく紹介したお話の絵本。「寓話的なお話で面白い。絵もかわいいし、小さい子もすぐにおぼえてしまう。」と、評判の一冊。
世界の十二支くらべ表と解説もついているのがポイント。

『十二支のおはなし』 内田 麟太郎 (著), 山本 孝 (絵) / 岩崎書店 (2002/11/15)

お正月に神様のところへあいさつに行くことになった動物たち。ちゃっかりもののねずみは牛の背にのり、門の前で一足先にゴールイン。一番最初はねずみ年になった…。
今や、みんなの人気者のねこはどうして十二支に入れなかったのか?どうして、十二支はこの順番になったのか?をお話を楽しみながら学べます。
日本の伝統的な季節の行事や遊びを内田麟太郎さんのユニークなストーリーと山本孝さんの大迫力のイラストが魅力的です。

海外絵本(5冊)

『The Great Race: The Story of the Chinese Zodiac』 Christopher Corr (著) /  Frances Lincoln Children’s Books (2018/1/4)

英語で十二支のいわれを学べます。
エキゾチックな絵柄が素敵。

『Story of the Chinese Zodiac: English Thai』 M. Chang (著) / Pan Asian Pubns (1994/6/1)

中央に位置している大きな猫が印象的。
英語だけでなく、韓国語等様々な言語に訳されているようです。

『How Come There’s No Cat in the 12 Chinese Zodiac Animals?: Based on a Traditional Chinese Story』 / Artink Wanderer(2023/12/4)

英語と中国語のバイリンガル絵本。英語教育や国際理解にも役立ちます。

『Year of the Cat』Richard Ho (著), Jocelyn Li Langrand (絵) / Greenwillow Books (2022/11/1)

伝説のレースが、中国の十二支の動物の順番を決めました…でも、一年ももらえなかった唯一の動物、猫はどうなったのでしょうか? ネズミ、猫、そして11人の仲間たちが主役のこの愉快な動物冒険物語は、若い読者に十二支と謝ることの大切さを教えてくれます。
文章と絵は、伝統的な「グレートレース」物語へのオマージュであると同時に、現代の若い読者に向けた、ユーモアと反骨精神にあふれたお話です。

『The Race for the Chinese Zodiac』Gabrielle Wang (Author), Sally Rippin (Illustrator), Regine Abos (Illustrator) / Candlewick(2013/11/26)

はるか古代中国、天地を司る玉皇大帝は、川を最初に渡った12匹の動物に、その年にちなんで名前をつけるという壮大な競争を布告しました。13匹の動物は、わずか12の干支の座をかけて競争します。
誰が正直で、誰がずる賢いのでしょうか?誰が道中で仲間を助けるのでしょうか?誰が1位になり、誰が敗退するのでしょうか?

読み聞かせや親子で楽しむ工夫

絵本を読むときには、ちょっとした工夫でさらに楽しめます。

• 読み聞かせの前に「今日は猫が出てくるお話だよ」と伝えると子どもがワクワクする

• 海外絵本を選べば、英語のリズムに親しむきっかけになる

• 絵本を読んだ後に「もし猫が十二支に入っていたら?」と話し合うのも楽しい

関連記事へのご案内

当サイトでは他にも猫の絵本を紹介する記事を掲載しています。あわせてどうぞ。

まとめ:猫は十二支に入らなくても、物語の主役

猫が十二支にいないのは、ネズミのいたずらで遅刻したから。少し切ない理由ですが、それが絵本や昔話の豊かな題材となり、子どもたちに語り継がれてきました。

干支の動物に入れなくても、猫はいつの時代も人気者。

むしろ「十二支に入らなかったからこそ」、子どもたちに愛されるキャラクターとして語り継がれているのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました