猫好きな方なら「さくらねこ」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
保護猫カフェに通い、さくらねこポスターを目にしてきた私が、その意味と重要性をお伝えします。
3月22日の「さくらねこの日」は、猫の殺処分ゼロを目指す大切な記念日。
耳先をV字カットされた「さくらねこ」は、不妊・去勢手術済みの証であり、命を大切にする活動のシンボルなのです。
TNR活動によって殺処分数は年々減少していますが、まだ多くの猫たちが助けを必要としています。あなたにもできることがきっとあるはずです。
「さくらねこの日」の由来
「さくらねこの日」は、猫の殺処分ゼロを目指す活動の一環として制定された記念日です。
日本で殺処分される猫の多くが生後間もない子猫という現実を広く知ってもらい、不妊・去勢手術の重要性を伝えるために設けられました。
以下では、その由来やポスター、イメージキャラクターについて詳しくご紹介します。
由来
「さくらねこの日」は、公益財団法人どうぶつ基金が中心となって2012年に制定した記念日です。
3月22日という日付は「さ(3)くら」と「ニャン(2)ニャン(2)」という語呂合わせから選ばれました。
この日を通じて、不妊・去勢手術を受けた証として耳先をV字カットされた「さくらねこ」の存在を広く社会に知ってもらう目的があります。
「さくらねこ」という名称自体は、どうぶつ基金が沖縄県石垣島で初の一斉TNR(捕獲・不妊去勢手術・元の場所に戻す)活動を行った際に誕生しました。それまでは単に「耳カット猫」と呼ばれることが多かったのですが、より親しみやすい名前を模索する中で生まれた愛称です。
桜前線の先頭を走る石垣島から「さくらねこ前線」を全国に広げていこうという決意も込められています。この取り組みは着実に成果を上げており、TNR活動の普及によって、全国の猫の殺処分数は2009年度の約16.5万匹から2019年度には約2.7万匹へと大幅に減少しています。
ポスター

(出典:どうぶつ基金)
「さくらねこの日」を広く知ってもらうために、ポスターが制作されています。
このポスターには、不妊・去勢手術済みの目印である「さくら耳」を持つ白い猫が描かれており、視覚的に「さくらねこ」の特徴を伝える役割を果たしています。
ポスターはどうぶつ基金の公式サイトから請求することができ、学校や動物病院、公共施設などに掲示されることで、多くの人々に「さくらねこ」の存在を伝えています。デザインは年ごとに少しずつ変わりますが、一貫して猫への優しさや命の大切さを感じさせる温かみのあるイラストが特徴です。
このポスターは単なる告知だけでなく、「耳先のカットは残酷ではないか」という誤解に対して、それよりもっと残酷な「殺処分」という現実があることを伝える啓発ツールでもあります。
さくら耳は、猫たちに生きてほしいと願う人々の思いの現れであり、この取り組みが可視化されることで実際に殺処分される猫の数が減少しているという事実を広める役割も担っています。
さくらねこの日イメージキャラクター
「さくらねこの日」には、世界的に人気の猫画家ペペ島田さんが描く「さくら」と「ひかり」という2匹のイメージキャラクターがいます。「さくら」は長年ポスターでおなじみのキャラクターで、さくら耳を持つ白猫として親しまれています。
2023年には新たに「ひかり」が仲間に加わりました。このキャラクターの名前は一般公募で集められ、最終候補に残った「ピース」「ウタ」「ひかり」の中から投票によって決定されました。
「ひかり」という名前には、外での生活を強いられている野良猫や多頭飼育崩壊の猫たちなど、すべての猫が幸せな明るい未来を迎えられるようにという願いが込められています。
ペペ島田さんは神戸市在住の画家・クリエイターで、人間の日常を擬猫化したユーモラスでやさしい猫の絵で国内外に多くのファンを持っています。絵画展示やウクレレを片手に弾き語る音楽活動も行うなど、多方面で活躍しています。「さくら」と「ひかり」の愛らしいビジュアルは、「さくらねこの日」の認知度向上に大きく貢献しています。
さくらねこTNR
さくらねこTNRとは、飼い主のいない猫に不妊・去勢手術を施し、耳先をV字カットした「さくらねこ」として地域で見守る活動です。
この取り組みにより、猫の繁殖を抑制し、殺処分数の削減を目指しています。
以下では、その意味や活動内容について詳しく解説します。
さくらねこの意味・目的
さくらねことは、不妊・去勢手術を受けた野良猫に付けられる呼称で、手術済みの証として耳先がV字にカットされています。
この活動の目的は猫の殺処分を減らすことです。
日本では年間1万頭以上の猫が殺処分されており、これは深刻な社会問題となっています。
さくらねこの耳カットは「この猫は不妊手術済みで、世話をする人がいる」という意思表示であり、一代限りの命として地域で共生していくためのシンボルです。
不妊手術によって繁殖を防ぎ、猫の数をコントロールすることで、将来的に殺処分をなくすことを目指しています。
耳カットは全身麻酔中に行われるため、猫は痛みを感じません。
さくらねこの活動
さくらねこTNRは「Trap(捕獲)・Neuter(不妊手術)・Return(元の場所に戻す)」の略称です。
この活動では、まず捕獲器を使って猫を優しく捕獲します。
次に獣医師による不妊・去勢手術を行い、その際に耳先をカットして手術済みの目印とします。
その後、回復を見届けてから元の生活圏に戻します。
どうぶつ基金が推進する「さくらねこTNR」の特徴は、従来の地域猫活動と異なり、まず不妊手術を先行して行うことです。
これにより、関係者間の話し合いに時間をかけている間に猫が増えてしまうという問題を解決し、より効果的に繁殖を抑制できます。
目印となる耳カットは、再捕獲のリスクからも猫を守る重要な役割を果たしています。
目指す社会
さくらねこTNR活動が目指すのは、人と動物が共生できる社会です。
この活動の成功には「即行」「徹底」「継続」の三原則が欠かせません。
猫は年に複数回出産でき、6ヶ月で繁殖可能になるため、素早い対応が必要です。
また、対象となる猫の100%にTNRを実施することで初めて個体数の減少が実現します。
さらに、新たな未手術猫が現れた際にも迅速に対応し続ける継続性が重要です。
さくらねこの存在は、厳しい社会の中で命を尊重する人々の優しさの証でもあります。
身近な動物への接し方は社会のバロメーターとも言われ、さくらねこを通じて命の尊さを学ぶことは、子どもたちへの教育効果も期待できます。
このように、さくらねこTNRは単なる動物愛護活動を超え、より思いやりのある社会の実現に貢献しています。
その他、3月22日の記念日
3月22日は様々な記念日が重なる日です。
国際的な「世界水の日」から日本の放送の歴史に関わる「放送記念日」、さらには現代技術の礎となった「面発光レーザーの日」まで、多様な意義を持つ一日となっています。
それぞれの記念日の背景や意義について見ていきましょう。
世界水の日
3月22日の「世界水の日」は、1992年の国連総会で制定された国際デーです。
この日は、私たちの生活や環境において水資源がいかに重要かを再認識する機会となっています。
国連は地球的な視点から水の貴重さを世界中の人々が共に考え直すことを提唱しており、毎年この日を中心に世界各地で水に関するフォーラムやイベントが開催されています。
日本では独自に8月1日を「水の日」と定めているため、3月22日は「地球と水を考える日」や「国連水の日」とも呼ばれています。
水不足や水質汚染などの水資源問題は年々深刻化しており、持続可能な水利用の重要性が高まっています。
この記念日を通じて、私たち一人ひとりが日常生活での水の使い方を見直し、貴重な資源として大切に扱う意識を育むことが求められています。
放送記念日
放送記念日は、1925年(大正14年)3月22日にNHKの前身である社団法人・東京放送局が日本初のラジオ仮放送を開始したことを記念する日です。
当時、東京放送局は3月1日からの放送開始を告知していましたが、放送用送信機を大阪放送局に買い取られるトラブルに見舞われました。
そこで急遽、東京電気研究所の送信機を借り受けて改造し、正式な本放送ではなく「試験放送」という形で逓信省(現在の総務省)の認可を得ました。
初放送は東京都芝浦の東京高等工芸学校に設けられた仮スタジオから行われ、第一声は「アー、アー、アー、聞こえますか。JOAK、JOAK、こちらは東京放送であります。今日只今より放送を開始致します」でした。
この日を起点として日本の放送文化が発展し、現在のテレビやラジオ、インターネット配信など多様なメディアへと進化していきました。
面発光レーザーの日
面発光レーザーの日は、この革新的技術を発明した工学者・伊賀健一氏が1977年(昭和52年)3月22日に初めて面発光レーザーに関するアイデアをノートに記載したことを記念して制定されました。
面発光レーザーとは、基板に対して垂直方向にレーザービームを放射する半導体レーザーのことで、現代社会では欠かせない技術となっています。
この技術は、LANやコンピューターマウス、レーザープリンター、顔認証システムなど、私たちの日常生活で使用する多くの電子機器に応用されています。
日本発の技術革新として世界中で実用化され、情報通信技術の発展に大きく貢献してきました。
応用物理学会微小光学研究会によって制定されたこの記念日は、日本の科学技術の発展と将来性を象徴するものとして重要な意義を持っています。
まとめ
●「さくらねこの日」は猫の殺処分ゼロを目指し、不妊・去勢手術の重要性を広める活動として制定された
●さくらねこTNR活動が目指すのは、人と動物が共生できる社会
3月22日は「さくらねこの日」をはじめ、様々な意義ある記念日が重なる日です。
「さくらねこの日」は猫の殺処分ゼロを目指し、不妊・去勢手術の重要性を広める活動として2012年に制定されました。
さくらねこTNRの「即行」「徹底」「継続」の三原則に基づく取り組みにより、全国の猫の殺処分数は大幅に減少しています。
また、この日は1992年に国連が制定した「世界水の日」でもあり、水資源の大切さを再認識する機会となっています。
さらに、日本の放送文化発展の原点となった1925年の初ラジオ放送を記念する「放送記念日」、そして現代の電子機器に欠かせない技術である面発光レーザーの発案を記念する「面発光レーザーの日」も同じ日に制定されています。
猫を眺めながら、これらの記念日について思いを馳せてみるのもいいかもしれませんね。
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