昔、子供の頃、犬を飼っていました。
最近、猫を飼い始めました。
「飼う」はおこがましいかな、「一緒に暮らす」という言葉のほうがしっくりくるでしょうか。
犬と暮らしていた時も、猫と暮らしているときも、常に「寄り添ってくれるな」と感じています。
そんな「寄り添う」がテーマな本『寄りそう猫』をご紹介します。
『寄りそう猫』の概要
フェリシモ猫部で好評連載中の著者ブログ「道ばた猫日記」から9話、朝日新聞WEBサイト「sippo」連載「猫のいる風景」から4話、新しいエピソードが4話。
全部で17のエピソードが掲載されています。
『寄りそう猫』に登場する猫たちと、そのエピソード
どんな猫でもうかがいしれないドラマがあって、今がある。
そんな数々のエピソードの目次は次のとおり。
- ノネコがやってきた! (ゆわん、ゆずき)
- 母さんは、犬 (ひな子、犬のひめ子)
- 1+2で、3兄弟 (アキラ、なっちゃん、くうちゃん)
- 拾った子猫はおばあちゃん (ジャガー)
- 忘れ形見 (16匹の猫-わじゅ、こまった、がっちゃん、うにゃにゃ、チビクロ 他)
- あたらしい家族 (ルチア、ティート)
- 家族のように (デップ、ぺーちゃん、グレコ、犬のチコ)
- 自由に生きればいいんだよ (ごま、トムリン)
- マリちゃんの「女の一生」 (マリ)
- ボクは、新入り教育係 (とら、犬の殿介)
- よれよれの猫 (にゃあ)
- ねぎ様はいい女 (ねぎ)
- 虐待から救われて (豆、ぶったん、てったん)
- 被災地から来た子 (レオ、ままち、アメリ 他)
- 陸くんの贈り物 (陸、風、華)
- 里山の仲間たち (福、幸(サチ)、犬のハッピー)
- 猫のいるしあわせ (キュー太、ひめ、きのこ、あめこ、かあさん、ごっちゃ、ふとし、ごま、はだ)
人と猫だけでなく、猫と猫、犬と猫、そして人と人との寄り添う情景が描かれています。
読みながら、思わず涙・・・。
猫のドラマの後ろには、寄り添う人のドラマもあり、これまた涙・・・。
著者はこの方、佐竹茉莉子さん
著者は、佐竹茉莉子さん。
フリーランスのライターで、町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信しておられます。
写真に写っているどの猫も、表情豊か!
Instagramでも、素敵な写真に出会えます。
その他情報・・・出版社、発売日、ページ数等
- 出版社 : 辰巳出版
- 発売日 : 2019/7/11
- 単行本(ソフトカバー) : 144ページ
tempoが(自由に)選ぶ エッセイ BEST3
第3位 1+2で、3兄弟
ニンゲンのカップルが結婚する際、それぞれが飼っている猫たちが仲良くなれなかったら、結婚はなし。
そんな同意の元で、猫(こ)連れ同居が始まった。
知子さんと祐一朗さんは職場の同僚。
知子さんが保護されたばかりの仔猫を譲り受けたときに相談したのが、同じく2匹の保護猫と暮らしていた祐一朗さん。
急速に接近した二人は、結婚を前提に一緒に暮らすことにした。
ただし、自分たちのしあわせよりも大切にしたいことが、猫たちの幸せ。
しばらくは隔離して様子見、大きなケージを用意・・・
でも実際に顔を合わせてみると、その日のうちに意気投合してしまった3匹の猫。
ニンゲンは「えっ?」と言う感じ。
晴れて、3匹と2人の生活が始まった。
ニンゲン2人も猫3匹も、みんな幸せ♪
それぞれがそれぞれを思いあって、大切にして、慈しんで暮らしている様子が目に浮かぶようです。
ほんわかした気持ちをおすそわけいただきました~。
第2位 家族のように
小さな老人ホーム。デイサービスやグループホーム、高齢者専用マンションも兼ね備えている。
ここでには、通所猫や入所猫がいるそう。
ご飯時になると、次々と猫が集まってくる。みんな耳カットがされている。
施設が不妊去勢手術をした通所猫たち。
施設内には、スタッフ猫もいるそう。
みんなわけありで、入所猫になったんだって。
スタッフとしての仕事はちゃんとこなす。
利用者さんとの親睦、施設内巡回、認知症入所者さんの話し相手・・・
人も猫も居心地がいいホーム。
猫たちがいるだけで、利用者もスタッフも気持ちはゆったりほんわか。
会話も笑顔も増える。
アニマルセラピーじゃないけれど、猫や犬が人に与える影響って大きいんだね。
みんなが寄り添って、一つの家族として過ごしていく。
きっと、豊かな毎日なんだろうなぁ~。
第1位 自由に生きればいいんだよ
およそ50人が通うフリースクール。
不登校や発達障害など、一斉画一教育になじむことができなかった生徒たち。
このフリースクールには、猫も暮らしている。
捨て猫だったごまちゃん、ゆるーい感じで溶け込んだそう。
いろいろな子が、ごまちゃんを撫でたり話しかけたり笑いかけたりしている。
猫がいることで子供たちに変化があらわれた。
学校でのいじめで傷ついていた子も、自信を無くして元気がなかった子も、気が付けば穏やかな顔になっていた。
フリースクールは認可を受け、18歳以上になった子たちの自立をサポートするため就労継続支援事業所としてカフェを開いた。
キーワードは猫!
「食事や猫との触れ合いを楽しんでもらったあとで、『福祉事業所って書いてあるけれど?』『福祉ってなんだろう?』『障がいってなんだろう?』と考えてもらうきっかけになってもらえれたらと願いをこめて。
猫と人が一緒にいることの相乗効果。
猫と人のインクルージョン、障がいとのインクルージョン、福祉とのインクルージョン・・・
あたたかくてほっこり・・・素敵!
まとめ 『寄りそう猫』 まさにダイバーシティ&インクルージョン!
寄り添ってくれる存在があることの幸せ
寄り添う存在があることの幸せ
ニンゲンもネコも多様性(ダイバーシティ)、そして、共に一緒に(インクルージョン)。
まさに、ダイバーシティ&インクルージョン。
この本から、そんなあたたかい社会を垣間見て、ほっこり温かい気持ちになりました。
おすすめです!
ぜひお手に取って読んでみてくださいませ。
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