この作品を知らない人がいないほどの名作品、松本零士作『銀河鉄道999』に、松本零士さんの愛猫“ミーくん”が登場していました。
ミーくんはどのように登場しているのでしょうか?
ご紹介します。
「ミーくんの命の館」 あらすじ ※ネタバレ注意※
『銀河鉄道999』内の「ミーくんの命の館」は、物語の中でも感動的かつ考えさせられるエピソードです。
あらすじ
車掌が告げました。
次の停車駅は「ミーくんの命の館」
停車時間は三十八時間と十五秒
「ミーくんの命の館」は
暗い宇宙の海に
あたたかい色に光って
浮かんでいた
心のやすまるかわいらしい惑星だが
なぜか鉄郎には
とめも寂しい星にも
見えた・・・・・・
この星に降りるのは、一人の女性と一匹の猫。
女性は泣いています。
「ミーくんの星」駅に到着。
女性は猫を抱えて下車していきました。
鉄朗とメーテルも下車します。
そして、ミーくんにまつわる物語を体験していきます。
みどころ
この惑星は、過去に亡くなった人々の記憶や感情がそのまま保存され、映像として体験できる場所です。この惑星では、人々が失った命の輝きを感じられるように、故人の姿が鮮やかに投影されます。
「ミーくん」という名前の少女はすでにこの世にはおらず、記憶だけが命の館に保存されています。ミーくんは過去に、自分の命を失うことを恐れていた人々を救うために、自らを犠牲にしました。彼女の行動には強い愛情と献身があり、その結果、彼女の命が消えた後も、人々の心に深く刻まれる存在となりました。
おすすめポイント 3点
- 星野鉄郎は、ミーくんと彼女の選択に触れることで、命や犠牲、そして生きることの意味について深く考えさせられます。
- ミーくんの無私の行動は、鉄郎やメーテルに大きな影響を与え、物語のテーマである「命の価値」について新たな視点を提供します。
- このエピソードは、儚くも力強い命の尊さと、その一瞬一瞬を大切に生きることの意義を感じさせる作品です。
松本零士さんの溺愛していた猫『ミーくん』
松本零士さんは50年以上にわたり4世代のトラジマ猫と過ごしました。
名前は「ミーくん」。
「ミーくん」を題材としたマンガもあります。
『トラジマのミーめ』
下記リンク先にまとめましたので、ご覧ください。
『銀河鉄道999』について あらすじ、著者や出版情報など
有名な作品である『銀河鉄道999』。宇宙空間を駆けて行くSL車両が印象的です。
あらすじ
物語の舞台は、機械の身体を手に入れることが可能になった未来の世界。高価な機械の体を手に入れた富裕層が、生身の体のままの貧しい人々を迫害している未来の地球。機械の身体は非常に高価で、一般の人々には手が届かないもの。
貧しい少年・星野鉄郎は、母親を機械伯爵という悪者に殺された。そのため、機械の体を無料でくれるというアンドロメダ星に行き、自身も機械の身体を手に入れて永遠に生きることを夢見ていた。
そんなある日、鉄郎はアンドロメダ行き超特急列車銀河鉄道のパスをくれるという謎の美女メーテルに出会い、銀河を巡る列車「銀河鉄道999」に乗車する。
鉄郎とメーテルは様々な星を訪れ、その中で異なる生き方や価値観に触れていく。
鉄郎とメーテルがついに「機械帝国」の本拠地である惑星メーテルに到着。この惑星は、実はメーテルの母親であるプロメシュームが支配する機械の世界であり、人間の精神を機械に移すことで不老不死の存在になれる場所。
鉄郎は、これまでの旅で、機械の身体を得ることに憧れながらも、様々な星で出会った人々の教えや経験を通じて、「人間らしく生きること」の大切さを学んできた。結局、彼は機械の体を拒否し、メーテルや他の仲間たちと共にプロメシュームと戦うことを決意。
最後に、銀河鉄道999は機械帝国を離れ、再び広い宇宙の旅へと出発。鉄郎は次の目的地へ向かう決意をし、自分の足で生きることを選ぶという強い意志を示した。
登場キャラクター
- 星野鉄郎: 物語の主人公で、母を失い機械の身体を手に入れるために銀河鉄道999に乗る少年。
- メーテル: 神秘的な美しい女性で、鉄郎を導く重要な存在。母親的な役割を果たしつつ、複雑な過去を持つキャラクターです。
- 車掌: 銀河鉄道999の車掌。顔をマスクで隠しており、無口で無表情だが、鉄郎たちの旅を見守ります。
著者
日本を代表する漫画家であり、SF作品を中心に多くの名作を生み出した。
- 本名: 松本晟(まつもと あきら)
- 生年月日: 1938年1月25日 (2023年2月13日星の海へ旅立つ)
- 出身地: 福岡県久留米市
- 活動分野: 漫画家、アニメ監督、脚本家
彼の作品は、壮大な宇宙を舞台にした冒険や哲学的なテーマが特徴で、特に「宇宙」「時間」「人間の生き方」などに関する深い考察が描かれている。
- 人間の弱さと強さ: 松本零士さんのキャラクターは、しばしば孤独や絶望に直面しますが、それでも人間としての尊厳や希望を持ち続けることが強調されています。
- 自由への渇望: 特に『キャプテンハーロック』や『銀河鉄道999』では、自由を求める冒険心が強く描かれており、束縛からの解放がテーマになっています。
- 死と生、時間: 永遠の命や時間の流れに対する問いかけが、作品を通じて何度も登場します。機械の身体による不老不死と、人間らしく生きることのどちらが幸せかというテーマは、特に『銀河鉄道999』で深く探求されています。
▼公式サイトはこちら
▼公式X『ミーくん@零時社』はこちら
出版情報
原作漫画:1977年から1981年にかけて「週刊少年キング」で連載されました。
「ミーくんの館」が収録されているのは、次の通りです。
単行本版 6巻
- 出版社 : 小学館
- 発売日 : 1997/6/1
- 言語 : 日本語
- コミック : 269ページ
- ISBN-10 : 4091880061
- ISBN-13 : 978-4091880062
文庫版 5巻
- 出版社 : 少年画報社
- 発売日 : 1994/5/4
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 286ページ
- ISBN-10 : 4785946652
- ISBN-13 : 978-4785946654
まとめ
●著者の「松本零士」さんは、四世代のトラジマのミーくんと過ごした
●ミーくんを題材としたマンガも描いている
松本零士さんが個人的に大切にしているテーマ(家族や愛猫との絆)が垣間見える一作です。
松本零士さんのミーくんへの深い愛情を感じながら、読みたいですね。
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