「黒ネコのタンゴ」歌詞徹底比較 - 皆川おさむが残した大ヒット童謡

音楽
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黒ネコのタンゴとは?日本で大ヒットした童謡の背景

1969年に日本で大ヒットした童謡「黒ネコのタンゴ」。愛らしいメロディと歌声で知られるこの曲は、当時わずか6歳の皆川おさむさんが歌い、200万枚を超えるセールスを記録しました(出典:オリコンニュース)。
しかし実は、この曲にはイタリア語の原曲「Volevo un gatto nero(黒い猫が欲しかった)」が存在し、日本語版とは歌詞の内容が大きく異なっています。

この記事では、原曲と日本語版の歌詞を徹底比較し、その文化的な違いを解説します。さらに、日本版を歌った皆川おさむさんの歩みにも注目し、「黒ネコのタンゴ」がどのように日本文化に根づいて今も愛されるのかを探っていきます。

原曲「Volevo un gatto nero」とは?イタリア語歌詞の意味

まずは、原曲を聞いてみましょう。

イタリア発祥の童謡

「Volevo un gatto nero」は、イタリアの子ども向け音楽祭「ゼッキーノ・ドーロ(Zecchino d’Oro)」で1969年に発表されました(出典:Zecchino d’Oro公式)。原題は「黒い猫が欲しかった」という意味で、子どもたちに親しまれる合唱曲として誕生しました。

歌詞の意味と物語

原曲の歌詞では、主人公が「黒猫を欲しがっていたのに白猫を渡される」というシーンが描かれます。

イタリア語版:「Volevo un gatto nero, ma tu me l’hai dato bianco…」
(訳:黒猫が欲しかったのに、君がくれたのは白猫だった)

  • 主人公の「僕」は、友達に色々な動物をあげた(ワニ、キリン、象など)。
  • その代わりに友達がくれるはずだったのは「黒い猫」。
  • ところが渡されたのは「白い猫」。
  • 「君は嘘つきだ!もう遊ばない!」と怒る。
  • けれど最後には「黒でも白でも、この猫を飼うことにする」と結論づける。

つまり原曲は、「欲しかった黒猫と違うけど、結局は受け入れる」というオチのある子どもらしいユーモアソングです。

子どもの視点から描かれた“裏切りと受容”のストーリーが特徴です。

イタリアの子どもソングが原曲だったのですね!

▼その他、「みんなのうた」でもイタリア語原曲の曲が紹介されていました。詳しくはこちらで紹介しています。

日本語版「黒ネコのタンゴ」の歌詞と意味(皆川おさむ版)

続いて、日本語版「黒ネコのタンゴ」を聞いてみましょう。

見尾田みずほによる翻案

日本語版は1969年に発売され、歌詞は作詞家の見尾田みずほが担当。原曲のストーリーは大きく変更され、黒猫を「恋人」に見立てた愛らしい表現が取り入れられました。(出典:Wikipedia

日本語歌詞の内容(要約)

  • 黒猫は赤いリボンをつけた恋人の象徴
  • 時に爪を立て、気まぐれで困らせる
  • 浮気っぽい一面もあるが、それでも愛しい存在
  • 夜になると瞳が星のように輝き、特別に思える
  • 最後は「いたずらしたら干物はおあずけだよ」とユーモラスに締める

原曲の“交換と裏切り”は消え、代わりに“甘い愛情”が全面に押し出されています。

初めて聞いたときに衝撃的だったのを覚えています。

歌詞比較|原曲イタリア語版と日本語版「黒ネコのタンゴ」の違い

原曲イタリア語版と日本語版の歌詞の違いを表にまとめました。

項目 イタリア語版(原曲) 日本語版(皆川おさむ)
主題 欲しかった黒猫がもらえず白猫を受け取る話 黒猫を恋人に見立てた日常描写
感情の核 不満 → 受け入れ 愛情とユーモア
ストーリー 交換条件と裏切りの物語 恋愛の比喩を込めた詩的表現
トーン コミカルで皮肉 甘くほんわかした童謡風
結末 黒でも白でも飼う決意 「いたずらしたら干物はおあずけ」

共通点は「黒猫」というモチーフのみ。
両者は「黒猫」というモチーフを共有するのみで、歌詞の内容はほぼ別物です。日本版は独自の翻案によって、子どもにも親しみやすい“かわいらしい恋の歌”として広まりました。

なんと!ここまで異なるとは、初めて知りました!

皆川おさむ — 「黒ネコのタンゴ」を歌った最年少スター

幼少期から歌の才能を発揮

1963年、東京都生まれの皆川おさむさん(本名:皆川理)は、2歳で「ひばり児童合唱団」に入団。3歳には「ヤン坊マー坊天気予報」のCMで歌声を披露し、早くも注目を集めました。

大ヒットと記録

1969年、6歳で「黒ネコのタンゴ」を歌いデビュー。200万枚を超えるセールスを記録し、オリコン史上最年少1位という快挙を達成しました。この記録は今も破られていません。(出典:オリコンニュース

その後の歩み

  • 小学6年で芸能活動を引退
  • 洗足学園音楽大学で打楽器を専攻
  • デザイン業を経て、ひばり児童合唱団の代表に就任
  • 合唱教育を通じて後進の育成に尽力
  • 2025年7月23日、慢性腎不全のため62歳で逝去。(出典:Yahoo!ニュース

「黒ネコのタンゴ」とともに、皆川おさむさんの功績は童謡史に刻まれ続けています。

まさに、子どもと音楽をつなぐ象徴的存在といえるでしょう。

ご冥福をお祈り申し上げます。

よくある質問(FAQ)

Q. 「黒ネコのタンゴ」の歌詞は原曲とどこが違うの?
A. 原曲は「黒猫が欲しかったのに白猫をもらった」という物語ですが、日本語版は黒猫を恋人に見立てたユーモラスな歌に翻案されています。

Q. 皆川おさむさんはどんな人物ですか?
A. 6歳で「黒ネコのタンゴ」を歌い、史上最年少でオリコン1位を獲得しました。その後は合唱教育に携わり、2025年に亡くなるまで音楽活動を続けました。

Q. 原曲「Volevo un gatto nero」はどこで生まれたの?
A. イタリアの「ゼッキーノ・ドーロ」という子ども音楽祭で1969年に発表されました(出典:Zecchino d’Oro公式)。

Q. 「黒ネコのタンゴ」は現在も聴けますか?
A. サブスク配信やCD復刻で聴くことができます。YouTubeにも公式チャンネルから映像が公開されています。

Q. どうして黒猫がテーマになったの?
A. 原曲では「交換でもらう動物」として登場し、日本語版では恋人の象徴に変化しました。

「黒ネコのタンゴ」が今も愛される理由

  • メロディの親しみやすさ:シンプルで口ずさみやすい
  • 歌詞のかわいらしさ:子どもも大人も共感できる恋の比喩
  • 皆川おさむさんの歌声:無邪気でありながら印象的

近年ではSNSや動画投稿サイトを通じて再び注目を集め、アニメやカバー曲を通じて若い世代にも親しまれています。原曲との違いを知ることで、日本独自の童謡文化の柔軟さを再発見できるのも、この曲の魅力といえるでしょう。

まとめ

●「黒ネコのタンゴ」は1969年に日本で大ヒットした童謡
●原曲「Volevo un gatto nero」は“裏切りと受容”をテーマにしたイタリアの子ども歌
●日本語版は大幅に翻案され、黒猫を恋人に見立てた愛らしい歌詞に変化
●歌った皆川おさむさんは最年少でオリコン1位を記録し、その後は合唱教育に尽力
●現在も世代を超えて愛され続ける、日本独自の童謡文化の象徴

「黒ネコのタンゴ」は、単なる童謡を超えて“翻案文化”の面白さを体現する楽曲です。そして、その歌声を残した皆川おさむさんの存在は、今なお私たちの記憶に深く刻まれています。

▼その他にもねこに関する歌は複数あります。よろしければ、こちらの記事もみてみてください。

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